#022   ●忌野清志郎のエナジー(04/3/19)


 地元のユーベルホールという小さな会場で忌野清志郎のコンサートを見た。

 席は最後列から2列目と最悪、と思う間もなく大音響で前座バンドが始まる。いつものユーベルホールとは何かが違う。
 既に、最前列では若い女の子が2〜3人舞台にかじりついている。

 数曲演奏する内にも、あちこちで若者のスタンディングが広がっていく。ん〜、おじさんとしてはなんとなく違和感を感じながら、「見えないから座れ!!」などという罵声でコンサートが台無しになるような事態になりはせぬかと心配する。
 ところが真打ち「忌野清志郎」が登場するや、ほぼ全員がスタンディング。当然、我々も立ち上がる。多分親子以上に年の若い女の子から「清志郎〜」の黄色い声が飛び交う。

 それからは、ほとんど1時間半唄いづめ。ファン(親衛隊?)が差し出す紙吹雪や筒状のクラッカーのようなものなどを使いながら、盛り上がること盛り上がること。
 突如、エネルギーが切れたかのように、唄いながらも清志郎が舞台中央にうずくまる。
 さすがに彼も我々と同世代(52才)、どうしたのかと心配する中、トランプマンのような格好をした黒子役が清志郎にマントをかけ舞台袖へと向かう。
 と、思いきやにわかに裏地が真っ赤なマントをひるがえし元気復活。

 すべてが計算され尽くした演出と分かった後も、これがとてもおもしろい。何度も何度も繰り返されるが、何度見てもあきない。さすがプロである。

 久しぶりのスタンディングにちょっとカルチャーショックを受けながらも、音楽家・イラストレーター・サイクリストなどマルチな活動をしている清志郎がうらやましくもあり、大いに満足したコンサートでした。

 <参考> 忌野清志郎 http://www.universal-music.co.jp/kiyoshiro/


▲他のひとりごと   ▲HOME