#010 ●技術屋の心得 3様
当社の技術者は、構造物や道路等のハード関係の設計を主体とする技術者(設計屋さん)、都市計画やまちづくりなどのソフト系を担当する技術者(計画屋さん)、そして建築系技術者を中心とした環境デザイナーに分かれる。
設計屋さんは誠実をモットーにしなければならないと思う。
計画屋さんやデザイナーが誠実でなくてもいいというわけではない。
しかし設計屋さんは、1cm、1kg、1円を扱う以上、常日頃から正確さに最も注意しなければならない。
それでも人間はミスをする。
そんな時、一旦生じてしまったミスを唯一日頃培った誠実さが、それ以上大きく広がらないように助けてくれるからである。
計画屋さんはロマンチストがいい。
設計屋さんが現実をより直視しなければならないのに対し、計画屋さんは遠くにぼんやりとかすむキャンバスに夢のある世界を描いてほしいからである。
平和で安心して暮らせる豊かな社会、そんなハートウォームな夢を共有したいから。
こんな歯の浮くようなせりふをぬけぬけというのも計画屋さんの資質かもしれない。
一方、デザイナーはおしゃれであってほしい。
野暮ったい服装のデザイナーには誰も頼みたくないと思うから。
それも、特別の日だけのおしゃれではなく、むしろ安っぽい普段着にもちょっと粋な気遣いが感じられるような・・。
たとえば、冷蔵庫の残り物をうまく会席料理に仕立てるようなプロの料理人師のような・・。
ちなみに、私はおしゃれで誠実なロマンチストを目指したいと思っている。