#034 ●「からすてんぐ」初体験(07/04/05)
世間で猛威を振るう花粉症。幸いにもいまだご縁がない。
毎年ながらこの季節、罹患者が「からすてんぐ」族となって街中を闊歩する。
花粉症はヒトが本来持つ抗体の過剰反応だとか・・。
ヒトの進化の現れでもあるらしく、罹患していないことで自らが下等動物ででもある思いであった。
昨日、久しぶりに風邪をひいた。
38度を越す高熱。他人にうつしてはならないとマスクを購入した。
幸いにもタミフルのお世話にはならず、今のところ異常行動はない。
薬局でマスク売り場を尋ねると、最前列に置かれていたのが「からすてんぐ」型である。
確かによく売れているのか、街でもよく見かける。
隙間のない立体構造ということなのだが、常日頃、物々しく感じていた。
特に、いまだ花粉症に罹患していない下等動物としては、「からすてんぐ」の持つ威圧感にマイノリティとしての引け目さえ感じていた。
そんな日頃の思いもあり、昔ながらの布のマスクを購入しようと思ったのであるが、何事も体験というか、マジョリティになびいた方が気が休むからと「からすてんぐ」型を選んだ。選んでしまった。
手に取ると、サイズが3種類あることが判明。
大きいサイズ・普通のサイズ・小さいサイズ。これは顔の大きさなんだろうか?
とりあえず普通を選ぶが、マスクひとつでも「からすてんぐ」型はただものではない。
何たって立体構造ですから・・。
ようやく箱を開け装着しようとする。しかし、どっちが上か下かよくわからない。
たかだかマスクひとつをつけるのに、箱の取り扱い説明書を確かめねばならないとは・・。
何しろ立体構造である。正しい装着方法を間違っては台無しである。
たしかに、従来品に比べ鼻や口の周りに空間があるので息苦しさが全くない。
成功! そして、トイレに駆けつける。鏡の前には立派な「からすてんぐ」が。
これでやっと「からすてんぐ」族の仲間入りである。
そもそも「からすてんぐ」とは、一般的な鼻の高い天狗(大天狗)に対し、小天狗という鳥の姿をした天狗のことである。
小天狗という名の通り、大天狗の持つ神通力ほどの力を有しておらず、大きな神通力を得るために修行中の身であるらしい。
「からすてんぐ」族になっても修行の身は変わらないということであるらしい。